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6.1 摩擦と潤滑

 軸受の摩擦が小さいことは、機械の動力損失を少なくし、温度上昇を減少させ、高速回転を可能にする。 軸受の摩擦は、軸受の形式、構造、寸法、転がり及び滑り接触面の仕上精度によって異なり、 軸受荷重、回転数、潤滑などの運転条件に左右される。 低荷重、高速回転では潤滑が起動トルクに大きく影響し、高荷重、低速回転では荷重の影響が大きくなる。 軸受の起動トルクは、熱エネルギーに変化して軸受温度の上昇の原因となる。 温度上昇は発生する熱量と放熱される熱量との平衡によって定まる。 軸受温度が120℃を超えると、軸受材料の性質が変わり、潤滑剤の劣化が著しくなる。


6.1.1 潤滑の目的
 軸受の潤滑の目的は、軸受内部の摩擦及び摩耗を減らし、焼付きを防止することであるが、 潤滑の効用を更に詳しく説明すると次のとおりである。

(1) 摩擦及び摩耗の減少
ニードルベアリングにおいては、保持器と ころ 、保持器と軌道輪の案内面、そして ころ端面と軌道輪の つば面の間に生じる滑り摩擦、 摩耗を減らす必要があり、運転中の ころ のスキュー(倒れ)や弾性変形により軌道面と ころ の間に生じる滑りに対して潤滑が必要である。
(2) 摩擦熱の搬出、冷却
循環給油法などでは、摩擦により発生した熱、又は外部から伝わる熱を油によって搬出、冷却し、 軸受の過熱と潤滑剤の劣化を防止する。
(3) 疲れ寿命への影響
軸受の疲れ寿命は、回転中の転がり接触面における油の粘度が低く、潤滑不十分なときには短くなり、 逆に転がり接触面及び滑り接触面が油膜で十分に潤滑されているときには、計算寿命より長くなる。
(4) その他
軸受内部に異物が侵入するのを防ぎ、さび の発生を防ぐという効果もある。

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