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12.10 軸受の振動と音響

 転がり軸受に発生する振動や音響は多種多様であり、その代表的なものを表1[PDF: 116KB] のように分類できる。表1[PDF: 116KB] は軸受の振動・音響を、現在の優れた加工技術を用いても発生する軸受の構造に基づくものと、それ以外の原因に基づくものとに大別し、更にそれらを幾つかのグループに分類したものである。しかし、各グループ間の境界は絶対的なものではない。軸受の構造に基づく振動・音響であっても、その大小が軸受の精度に関係していたり、逆に精度に関する振動であっても軸受周辺の影響などにより、軸受精度の向上だけでは皆無にできない。
 表中の矢印は振動と音響との関連を示し、一般には振動と音響とは因果関係にある。このため、軸受の振動と音響は混同して扱われることがあるが、軸受の通常の使用条件では、1kHz近辺が両者の区別の目安となる。すなわち、ほぼ1kHz以下の周波数領域では振動として、それ以上になると音響として問題になることが多い。
 しかし、表1[PDF: 116KB] に示すような代表的な振動・音響については、その原因がほぼ解明され、実用上問題になることが少なくなっている。ただし、最近の軸受の使用環境の変化に伴い、新たな振動や音響がでてきている。特に低温環境下での異常音の例が多い。それらは軸受内部の摩擦に起因することが多いようである。
 このような異常音も含め、軸受の振動・音響を防止したり減少させたりするには、問題にする振動又は音響をあらかじめ絞って対象を明確にしておくことが大切である。最近ではコンパクトで性能の良い録音機器が容易に入手できるので、それらを利用し問題の振動や音響が生じたとき、記録しておくことを推奨する。
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