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精機製品・技術レポート:ボールねじの剛性

 送りねじ系の剛性は、式(1)で求められるが、送り系の位置決め精度に直接影響するため、設計時に充分検討する必要がある。

ここに

  • Kγ : 送りねじ系の剛性
  • KS : ボールねじ軸の剛性
  • KN : ボールナットの剛性
  • KB : 支持軸受の剛性
  • KH : ボールナット及び支持軸受部の剛性

計算式(1)

 式からわかるように、送りねじ系の剛性は、ボールねじの剛性(KS, KN)とボールねじ支持剛性(KB, KH )によって決まるが、ここでは、特にボールねじの剛性について述べる。

(1) ボールねじ軸の剛性

表1:ボールねじ軸の剛性と軸方向弾性変位
取付け条件 剛性 軸方向弾性変位
固定-自由 固定-自由/剛性の計算式 固定-自由/軸方向弾性変位の計算式
固定-固定 固定-固定/剛性の計算式 固定-固定/軸方向弾性変位の計算式

ボールねじ軸の剛性は、取付け条件によって異なり、表1の計算式により求められる。特に長尺のボールねじ軸や高い剛性を必要とする場合は、取付け条件として固定-固定を推奨する。この場合の剛性は、固定-自由の4倍となる。

図1:ダブルナットとシングルナットの弾性変位曲線

図1:ダブルナットとシングルナットの弾性変位曲線

ここに

  • KS: ボールねじ軸の剛性 (kgf/μm)
  • ΔL : 軸方向弾性変位量(μm)
  • P : 軸方向荷重 (kgf)
  • L : 取付間距離 (mm)
  • E : 縦弾性係数 (21,000kgf/mm)
  • dγ : ボールねじの谷系 (mm)

(2) ボールナットの剛性

表2:ボールナットの剛性と軸方向弾性変位
ナット形式 剛性 軸方向弾性変位
シングルナット シングルナット/剛性の計算式 シングルナット/軸方向弾性変位の計算式
ダブルナット
ダブルナット/剛性の計算式 ダブルナット/軸方向弾性変位の計算式
ダブルナット/軸方向弾性変位の計算式

 ボールナットの剛性は、ダブルナット(2個のナットの間に予圧を与えたもの)にすることにより、シングルナットの場合よりも剛性を高めることができる。図1に示した軸方向弾性変位曲線よりわかるように、ダブルナットの弾性変位は、軸方向荷重が予圧荷重の2.8倍のときシングルナットの1/2となり、剛性は2倍となる。

 表2にシングルナットとタブルナットの剛性と軸方向弾性変位の計算式を示す。なお、NSK標準ナットを御使用の際は、カタログ寸法表記載の剛性値を活用してください。

 ここに

  • KN: ボールナットの剛性 (kgf/μm)
  • δa : 軸方向弾性変位量 (μm)
  • δa0 : 圧荷重Fa0に対する弾性変位量 (μm)
  • L : 軸方向荷重 (kgf)
  • Fa0 : 予圧荷重 (kgf)
  • D : 鋼球の呼び径 (mm)
  • Z : 鋼球数
  • α : 鋼球とボールねじ溝の接触角 (α = 45°)
  • β : 精度・内部構造による係数

 これらの技術計算は、NSKコンピュータネットワークを通し、各支社・営業所でサポートしておりますので、御利用ください。

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