社長メッセージ
当社は、2006年11月8日に創立90周年を迎えました。1916年に日本最初の軸受メーカーとして出発してから90年が経った訳ですが、売上高で7,000億円を超え、世界27カ国に拠点を展開するグローバル企業に成長してまいりました。NSKがここまで発展できましたのは、言うまでもなく、株主の皆様やお客様、様々なお取引先の方々など多くの関係者のご支援の賜物であります。まず、この場を借りて心から感謝申し上げます。
2006年4月から「トータル・クオリティーにおいて業界No.1の企業になる」をビジョンに掲げ、3カ年中期経営計画をスタートさせました。その1年目となる2007年3月期の実績としましては、旺盛な設備投資や新興国の成長による強い需要を背景に3期連続で過去最高の売上高・利益を達成しました。売上高は7,172億25百万円(前期比14.1%増)、利益面では、売上・生産の拡大に伴う操業度効果や、生産性の改善、外部調達コストの削減に、円安による輸出採算の改善が加わって、営業利益623億83百万円(前期比46.6%増)、経常利益575億95百万円(前期比48.0%増)、当期純利益348億53百万円(前期比36.2%増)となりました。また、営業利益率についても、8.7%と前期の6.8%から大きく改善しており、中期経営計画1年目の結果として順調なスタートが切れたものと思います。事業別に見ますと、産業機械軸受は海外向けを中心とした売上の拡大とともに利益もさらに増加し、まさにNSKグループ全体の収益力を高める上で成長の牽引役を担っています。また精機製品においては、これまでの生産性改善努力が実を結び、需要増局面の波を捉えて当期業績に大きく貢献しました。一方、当社の基盤事業である自動車関連製品については、若干の遅れはありますが収益改善は着実に進展しています。
今回の中期経営計画は、2016年の創立100周年に向かう10年間、すなわちNEXT 10 YEARSの第1ステップであり、極めて重要な基盤確立の期間として位置づけています。そして、中期ビジョンを実現するために「成長戦略」と「体質強化」を2つの大きな柱とし、グループ共通施策として、〈生産力の強化〉〈製品開発力の強化〉〈グローバルマネジメントの強化〉〈海外収益力の強化〉の4つの経営課題を、全社を挙げて推進しています。
この中期経営計画で最重要課題としているのは〈生産力の強化〉です。生産力はメーカーにとっての収益の源泉であり、成長戦略、体質強化を進める上でのまさに要です。その達成のため、生産能力の効率的かつ最大限の活用、そして「モノつくり」に携わる人材のレベルアップを図るための人材育成に努めています。
また、各事業本部の成長戦略を量においても質においても支える最大の武器は、付加価値の高い新製品であり、〈製品開発力の強化〉を進めています。さらに、NSKの4つのコアテクノロジーである「トライボロジー」、「材料技術」、「解析技術」、「メカトロ技術」をベースに基盤研究・製品設計・生産技術の統合である総合技術力を強化し、将来を見据えた新技術の実現に挑戦しています。
そして〈グローバルマネジメントの強化〉は、NSKの海外展開を拡大させる中で事業運営の鍵となります。日本・米州・欧州・アジア4極のグローバルな事業運営を支える組織や仕組みの高度化とグローバル人材の育成、ITシステムの強化を進め、より効率的な事業運営と意思決定のスピードアップを図っていきます。
4つ目の課題として〈海外収益力の強化〉を掲げています。ここ3年間、中国・ポーランドなどで立ち上げた工場も軌道に乗りはじめ、海外事業の収益力は着実に改善してきていますが、海外各地域での収益力を高め、グループ業績へのさらなる貢献を目指していきます。
『量に頼らない強い体質づくり』に取り組んでいます。
中期経営計画2年目となる2008年3月期は、売上高7,450億円、営業利益680億円、経常利益635億円、当期純利益390億円と、4期連続増収増益を計画していますが、中期経営計画最終年度の目標達成に向けた正念場の年になると考えています。世界経済の大きな流れを意識し、緊張感と危機感を持って、大胆かつ果敢な戦略を徹底的に実行していきます。不透明感を増す需要環境下での厳しいグローバル競争の中、NSKをさらに進化させるためには、外部環境に影響されず着実に成長を続ける体質を根付かせていかねばなりません。そこで、今期の筆頭課題として、中期ビジョンで掲げる「トータル・クオリティー」、すなわち製品品質はもちろんのこと、提供するすべてのサービス、情報の品質改善に徹底的にこだわり、『量に頼らない強い体質づくり』に取り組みます。
また、体質強化に力を注ぐと同時に成長戦略についても引き続き施策を推し進めていきます。NSKが現在の中期経営計画を着実に実行し、次の事業ステージを考える中で、2008年3月期も国内・海外工場で設備投資を積極的に実施していく計画です。国内では、現在も強い需要環境にある大形ころ軸受の生産基盤拡充のため、既存の藤沢工場への増強投資に加えて新たに藤沢第二工場を建設し、2008年1月に稼働する予定です。海外においても、米国のステアリング工場や、タイやインドでの自動車軸受工場を新増設する計画です。また、今後の長い時間軸の観点から次なるNSKの成長を目指して、アライアンスやM&Aも視野に入れたプロアクティブな取り組みを行っていきます。
今日の社会では、「グローバル化した市場における多種多様なニーズの増大」「消費者の品質意識の高まり」「環境保全への待ったなしの対応要請」「コーポレートガバナンスやコンプライアンス充実に対する強い期待」等々を背景に、企業活動に関わる様々な品質への社会全体の意識が非常に高くなっているという現実があります。このような環境の中で、「トータル・クオリティー」を最優先課題として取り上げているNSKの中期ビジョンは、時代の要請ともかみ合っているものと考えています。また、企業理念として「NSKは、MOTION&CONTROLを通じ、円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めます。」を掲げており、NSKの存在そのものが環境保全と人類・社会の発展に貢献することを目標としています。そして、「トータル・クオリティーNo.1」にこだわり抜くことが企業理念を実現し、企業価値を高めることであり、あらゆるステークホルダーのご期待に応えることであると信じています。
株主、投資家の皆様には、今後とも変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
取締役
代表執行役社長


