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NSKアニュアルレポート2003
営業の概況
精機製品

精機本部長 小林秀一
   精機製品の売上高推移
事業概要

 NSKのコアテクノロジーであるトライボロジー技術に、精密位置決め技術や電磁力システムなどのエレクトロニクス技術を融合した精機製品は、ボールねじやリニアガイドなどの直動製品、XY テーブルやメガトルクモータなどのメカトロ製品に大別されます。さまざまな産業の機械・製造装置を中心に使用されていますが、最近では納期・価格要求に加え、製品の標準化へのニーズが高まっており、迅速かつ柔軟な対応が求められています。

当期の業績

 国内販売については、半導体製造装置関連や工作機械向けなどの需要の回復が顕著であり、売上高も順調に回復しました。海外では、アジアが順調に売上を伸ばしたのに対し、欧州や米州では回復の勢いが弱く、前期を下回る結果となりました。
 その結果、当期の売上高は前期比9億24百万円(2.7%)増加して348億98百万円となり、営業損失は同9億62百万円増加して、62億90百万円となりました。

成長戦略

 これまで当社が主要顧客としてきた半導体・液晶製造装置産業や工作機械産業は需要の変動が激しく、当事業の収益はその影響を大きく受けていました。そのため、2002年10月に精機事業を分社化してNSKプレシジョン株式会社を設立、収益構造を抜本的に改善すべく以下の取組みを強化しています。

  1. 事業構造改革
     コスト構造改革として、調達コストの削減、雇用構造改革、生産性の向上、生産移管などに取り組んでいます。2003年3月末時点の損益分岐点売上高400億円を、2004年3月末には300億円に改善することが目標です(詳細はこちらのトピックスをご参照ください)。

  2. 新規顧客開拓
     従来の主要市場におけるシェアは維持しつつ、新規顧客として自動車、ガラス、医療、福祉、バイオ、環境・安全など、景気変動の影響を受けにくく持続的な成長が見込まれる産業への販売を拡大します。具体的には、製造、販売、技術が一体となった全社横断プロジェクトを立ち上げ、顧客別の営業を強化しています。
     また、海外についても、中国の工作機械産業、韓国・台湾の半導体・液晶製造装置産業、米国の医療機器・バイオ産業などを主なターゲットとして販売体制を強化しています。
     このような取組みの成果として、2002年12月にはフランスの自動車用タイヤメーカー、ミシュラン社の世界各地の生産拠点向けに供給していた「ボールねじ」「直動システム」の供給量を拡大することとなりました。これまで年5,000万円程度だった同社向け売上が、2003年度以降は3倍に拡大する予定です。


  3. 製品別戦略
     ボールねじについては、世界 No.1 シェアの維持・向上を目指します。技術面では、競合するリニアモーターに対抗しうる高速駆動・超精密位置決め制御技術を確立、戦力アップを図るとともに、生産面でもリードタイムの短縮と仕掛かり品の削減に取り組みます。リニアガイドについては自動車産業を主要ターゲットとする拡販体制を確立、250億円の売上を目指します。また、ボールねじ、リニアガイドについては製品の標準化を進めています。
     メガトルクモータについても世界 No.1 の地位を維持・向上するため、市場別標準化製品と新規高機能商品の開発および販売拡大に取り組みます。XY テーブルについては、ロボットモジュールなどユニット品の生産拡大や、次世代半導体製造装置に使用されるイオン注入装置用「真空テーブル」の開発を進めます。また、液晶製造装置用「第6世代露光機」などの新製品も発売します。
     スピンドルについては、「グリース潤滑」タイプとしては最速の2万回転(従来の1.4倍)と長寿命化(同100倍)を実現、2003年度には同製品の売上4億円、2005年度には15億円を見込みます。
     また、新製品の開発・投入を強化し、2005年度には新製品売上高比率を当事業売上の20%、2007年度には同30%に拡大する計画です。
 産業別売上高構成    地域別売上高構成
  (顧客所在地域基準により集計)
地域別概況

日本
 顧客満足度の向上に向けた取組みを強化するとともに、子会社であるNSK販売株式会社の営業体制を再構築すべく、重点産業ごとに地域横断的なプロジェクトチームを結成しました。また、グローバルベースでの広報活動を積極的にサポートします。

米州
 ボールねじ、リニアガイド、ユニット品の生産拡大とともに、販売部門への人材投入、代理店網の拡大など、営業力の強化を図ります。

欧州
 リニアガイドの生産拡大を図るとともに、営業面では人員の増強、代理店網の拡大に取り組みます。

アジア
 中国では駐在員及び現地社員を増員し、販売体制を確立します。また、ボールねじ、リニアガイドの生産開始も検討しています。韓国では、日本からのデリバリーを大幅に改善し、国内並みのリードタイムを目指します。また、韓国の半導体・液晶製造装置メーカーの現地生産の動向を見ながら、ユニット品の生産を検討します。

2002年度地域別販売の生産地別構成


 精機製品の売上高推移(半期ベース)   精機事業の通期の売上高は、前期の339億74百万円から当期の348億98百万円へと、2.7%増加しました。これを半期ベースで見ると、前期下期の131億円を底に、確実な回復基調にあることがわかります。また、これにともない収益も着実に改善しています。
 

 トピックス:事業構造改革による収益構造の改善


 当事業の収益改善のためには、構造改革の完遂が絶対的な条件です。2001年11月より全社的に実施している「第2次構造改革」の一環として、これまでにも生産体制の再編や社外工比率引き上げによる労務費の圧縮・変動費化などを進めており、2002年度には当事業で大幅なコスト削減を実現しました。これをさらに加速し、2003年度には営業利益をマイナスからプラスに改善、また2003年3月末時点の損益分岐点売上高400億円を2004年3月末には300億円に改善することを目標に、以下の改革に取り組んでいます。

1.調達コストの削減
 2002年度・2003年度の2年間で30%の削減が目標です。2002年度には15%にあたる20億円の削減を達成しました。さらなる削減に向けて、サプライヤー数の削減と競争力の高いサプライヤーの育成、韓国や中国からの海外調達などに取り組みます。

2.雇用構造改革
 2002年9月に早期退職優遇制度の拡大適用により、340名の社員が応募しました。今後は新たな人事労務制度により、さらに効率向上を図っていきます。

3.生産性の向上
 2年間で20%の生産性アップが目標です。生産部門については、APS 活動を拡大展開していきます。間接部門については、事務の合理化と外部委託により10%の経費削減を行います。

4.日本精工九州株式会社へのボールねじ生産移管
 精機事業の新たな生産モデル構築を目指し、新生産方式と新雇用形態の導入を進めてきたNSK九州(株)の精機工場では、パートや非社員を採用した労務費の低減とリードタイムの短縮などにより、高効率生産を実現しています。2003年度には同工場のボールねじ生産能力を45%増強して月産22,000本とし、ボールねじの高効率生産を拡大します。

5.米国ボールねじ事業の再構築
 海外での販売拡大の一環として、米国では販売人員の増強などの営業力強化を進めています。また、これにあわせて現地生産の拡大を進めています。

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