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NSKアニュアルレポート2003
営業の概況
軸受

軸受本部長 原道夫
   軸受の売上高推移
事業概要

 軸受事業は当社の売上高の約6 割を占める中核事業です。当社は総合軸受メーカーとして、あらゆる産業・地域向けに多種多様な軸受製品を供給しており、日本においては No.1、世界的にもトップクラスのポジションを占めています。なかでも、小径〜標準玉軸受、自動車用軸受、精密軸受は世界で1、2位のシェアを占めるコア製品です。生産、販売、研究開発の拠点を日本・米州・欧州・アジアの世界4極に展開、グローバルにユーザーニーズに応える体制を整えています。

当期の業績

 国内販売については、自動車関連向けが前期後半からの好調が継続したのをはじめ、電機・情報産業その他の産業向け、市販向けも回復を示し、前期を上回る売上高となりました。海外では米州が順調だったのをはじめ、アジア、欧州ともに堅調に推移しました。
 その結果、当期の売上高は前期比196 億円(6.5%)増加して3,219億60百万円となり、営業利益は同108億57百万円(96.2%)増加し、221億42百万円となりました。

成長戦略

 軸受メーカーの世界的な合従連衡や中国メーカーの台頭など、事業環境はグローバルな規模で変化しています。このような環境下、製品分野ごとに明確な戦略をもって事業強化に取り組んでいます。

標準玉軸受
 NSKは同分野で世界シェアNo.1 を誇ります。標準玉軸受は、中国市場の成長とともに売上拡大が見込める成長分野です。同製品は基本的にコモディティ製品であるためコスト競争力が決め手であり、当社は中国の昆山NSKやポーランドのNSKイスクラなど、低コスト生産拠点への切換えを進めています。さらに、2002 年に上海に設立した調達センターを基点に低コストで調達した部品を世界各地の生産拠点へ供給するほか、日本で培った生産技術の移転を推進し、生産性とコスト競争力の向上を追求しています。


自動車用軸受
 NSKは現在、TIMKEN・TORRINGTON グループ、SKF 社と並んで世界トップの地位にあります。自動車市場は今後もアジアを中心に成長が持続すると予測され、当社は以下の戦略により世界 No.1 を目指します。
  1. 戦略製品として位置付けたハブユニット、ウォーターポンプ軸受、ワンウェイ・クラッチ内蔵プーリユニット、カーエアコン用電磁クラッチ用軸受を中心に、生産、販売、技術開発力のすべての面でグローバルにユーザーニーズに対応できる強みを生かし、受注拡大を図ります。
  2. 円すいころ軸受については、米国最大の軸受メーカーである TIMKEN 社とのアライアンスをさらに強化していきます。ニードル軸受についてもこの分野大手の TORRINGTON 社を吸収した TIMKEN 社とアライアンスを継続し、海外販売体制を強化します。
  3. 調達革新・生産革新活動(APS)等により効率化とコストダウンを進めます。また、これまでの「需要地生産」方式に、低コスト生産拠点を活用した「最適地生産」方式を組み合わせ、コスト競争力を強化します(詳細はこちらをご参照)。
一般産業用軸受
 鉄鋼、工作機械、製紙、鉱山、ポンプなどの一般産業向けの軸受については、ころ軸受を中心にアフターマーケットの開拓に注力します。アフターマーケットは、世界で6,500億円の市場規模を有する収益性の高い分野です。米州、アジアを中心に販売を拡大し、現在530億円の売上を3年後には700億円に拡大する計画です。生産面では、メイン工場である藤沢工場で20%のコストダウンとリードタイム半減を実施し、一方技術面では、高機能標準ころ軸受シリーズを拡充するなど、収益拡大に取り組んでいます。
 産業別売上高構成    地域別売上高構成
  (顧客所在地域基準により集計)
地域別概況

日本
 2002年末までに、国内軸受工場の再編の一環として進めてきた滋賀工場と藤沢工場の中形サイズの玉軸受をNSK福島(株)へ生産移管・集約しました。自動車用軸受についてはハブユニットを中心に順調に販売を拡大しています。2002年には、新たに国内カーメーカー向け4車種に「HUB III」の量産供給を開始しました。また、2002年10月には、新たに開発した軽自動車専用ハブユニット「HUBK」の量産も立ち上がりました。

米州
 2002年8月、米州本社の新社屋への移転にともない、それまで分散していた営業部門と技術部門を集約、カスタマーサービスの向上に努めます。2003年1月には一般産業に注力する専任のビジネス・ユニットを新設、ポンプメーカーやコンプレッサーメーカー等をターゲットに営業活動を開始しました。
 また、日系カーメーカー2社より、自動車の足回り用円すいころ軸受の大型案件を受注、TIMKEN 社と共同で年間60億円規模の売上を見込んでいます。さらに、HUB III の需要増に対応するため、2003年8月にはインディアナ州フランクリン工場の生産ラインを増設します。

欧州
「第2次構造改革」の一環として進めてきた標準玉軸受生産拠点の英国からポーランドへのシフトについては、当初予定より半年早く、2003年6月に完了しました。
 2002年末には、英国ピータリー工場にて、フォルクスワーゲン社向け HUB III の供給を開始しました。これにあわせて同工場の生産設備増設を予定しています。今後は次期モデルの共通車体向けに供給を拡大し、2005年には2003年計画の2倍近くの年間約200万個の供給を行う計画です。売上高は年間50億円強を見込んでいます。
 ニードル軸受については、日系カーメーカーからの相次ぐ供給要請に対応するため、TIMKEN 社のドイツ工場に生産を委託し、2002年12月より現地供給を開始しました。年間10億円規模の売上を見込んでいます。

アジア
 2002年に稼動を開始した中国の昆山NSK 第2棟に続き、中国国内の急速な自動車需要の拡大に対応するため、2004年の生産立上げを目指して第3棟の建設に着手しました。また、2003年2月、中国の江蘇省蘇州にて、TIMKEN 社との合弁による円すいころ軸受生産工場の建設に着工、2004年には生産開始の予定です。

2002年度地域別販売の生産地別構成

 トピックス


ローラ型ワンウェイ・クラッチ内蔵プーリユニット
 2001年、自動車のエンジン補機駆動システムに用いるプーリ(滑車)内にローラ型ワンウェイ・クラッチを内蔵した、高性能プーリユニットの開発に成功しました。
 自動車のオルタネータやコンプレッサーといった補機は、ベルトを通じて伝達されるエンジンの回転力によって駆動されます。しかし、エンジンの微妙な回転速度の変動や、ベルトの張力変動によってベルトとプーリ間でスリップが発生し、異常音の発生やベルトの早期破損という問題が発生することがありました。
 同製品は、プーリとベルト間に生じる無理な力を逃がすため、ローラータイプのワンウェイ・クラッチを採用し、確実な補機駆動性能とベルトの長寿命化を実現します。さらに、プーリとスリーブの一体ユニット構造のため取扱いが容易で、コンパクト化にも成功しています。ハイブリッド車などの新機構にも応用できる構造のため、今後の需要拡大が期待できます。

「HUBK」
 今般、生産コストを大幅に削減した軽自動車専用の第3世代ハブユニット「HUBK」を開発し、一部国内カーメーカーに納入を開始しました。
 第3世代ハブユニットは普通自動車への採用は進んでいるものの、軽自動車に採用するにはコストが高く、これまで普及していませんでした。
 当社は部品点数の削減と生産工程の簡略化によりコスト削減に成功しただけでなく、要求性能である強度や剛性を保ちながらの小型・軽量化を実現しました。
 今後はすべての軽自動車への採用を目指し、受注活動を積極的に展開していきます。

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