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NSKアニュアルレポート2003
特集2
中長期の成長領域−ハブユニットと中国市場
ハブユニット
 ホイール用の軸受をユニット化したハブユニットは、自動車用軸受世界 No.1 に向けた戦略を支えるコア製品です。自動車の軽量化・性能向上、カーメーカーの組み立て工程の簡略化などへの対応から、採用が急速に進んでいます。
 ハブユニットは、当期の自動車用軸受の売上の25%を占めます。当期のハブユニット全体の売上高は396億円、売上高伸び率は24%で、2005年には650億円規模へ拡大するものと見込んでいます。
第3世代ハブユニット「HUB III」
 現在、世界的に第3世代にあたる HUB III への世代交代が進んでいます。当社は HUB III の研究開発に早くから着手しており、技術的な優位性を背景に着実に受注を拡大しています。国内はもちろん、国外においても欧米系カーメーカー、現地進出の日系カーメーカーから大型案件を獲得しています。
 生産面では、日本、米州、欧州の各地域に拠点を展開、グローバルな供給体制を確立しています。さらに、TIMKEN 社とのアライアンスにより、従来の玉軸受ハブユニットに加えて、円すいころ軸受ハブユニットのグローバル展開を図っていく予定です。
 今後は技術力の高さとグローバル供給体制の利点を生かし、同製品におけるトップサプライヤーの地位を確実にしていきます。HUB III の2000年の世界生産個数3,100万個に対するシェア13%を、2005年には4,600万個に対し25%にまで拡大する計画です。
ハブユニットの技術戦略
 当社のハブユニットにおける技術的優位性として、以下の点が挙げられます。
  • 各種センシング機能の付加による高機能化
  • デジタルシミュレーションによる限界設計
    (軽量化、高剛性、低トルク化)

 これらの技術的な強みを生かし、以下(表)の商品開発に取り組んでいます。

開発商品 狙う市場 NSK技術の強み

ABSセンサ内蔵
ハブユニット*

全車両 豊富なバリエーション
(環状センサ、列間センサ、多極磁石エンコーダ、エンドキャップセンサ)
揺動かしめ
ハブユニット*
軽自動車・乗用車・SUV HUB III の内輪固定方式をナット方式から加締め方式にすることで、小型・軽量化と部品点数の削減を実現
HUBK* 軽自動車 部品点数の削減、生産工程の簡略化により、コスト削減と小型・軽量化を実現
円すいころ
ハブユニット*
乗用車・SUV・トラック 低トルク設計、高剛性設計
低トルク
ハブユニット
全車両 シールリップの最適設計・ゴム材料の開発によるシールの低トルク化により燃費を向上
HUB 3.5
(Snap-fit Hub Shaft)
軽自動車・乗用車・SUV HUB III に等速ジョイントをスナップリングで締結
現行車体構造の変更無しで置き換えが可能
*既存商品
中国戦略

 今後の成長市場である中国は、当社の成長戦略の要です。中国の軸受需要は2002年の3,000億円から、2005年には3,700億円に拡大するものと予測されます。当社は他の軸受メーカーに先駆けて1995年より中国に進出し、現地生産・現地調達等のノウハウを築き上げています。この強みを生かして中国市場におけるポジションを確実にするため、以下の重点プロジェクトを推進し、生産・販売・調達・技術の全面展開を行っていきます。

統括組織・販売
 統括組織として中国傘型企業を設立(上海市)
 2003年2月、中国事業を統括する傘型企業(持株会社)として、恩斯克投資有限公司(NSK CHINA HOLDING Co.,Ltd.)を設立。各種プロジェクトや既存の現地法人を統括するとともに、今後の急拡大が見込まれる自動車関連ビジネスを中心にマーケティング機能を強化するなど、販売体制の強化にも取り組んでいきます。
生産
 TIMKEN と合弁で円すいころ軸受を生産(江蘇省蘇州)
 米国最大の軸受メーカーである TIMKEN 社と合弁会社、鉄姆肯ー恩斯克軸承(蘇州)有限公司(TIMKEN - NSK BEARINGS (SUZHOU) CO.,LTD.)を設立、2004年上旬より自動車のトランスミッションやホイール等に使用される円すいころ軸受の生産を開始する予定です。生産能力は年間約1,500万セットを計画しています。

 昆山NSK に第3棟を建設(江蘇省昆山)
 1997年より生産を開始した昆山NSKでは、エアコンや掃除機などの家電向け軸受を中心に毎年生産量を拡大しています。拡大する現地需要への対応を強化するため、2002年7月に第2 棟を完成したのに続き、2003年末には第3棟を建設、生産能力を現状の月産1,000万ユニットから月産1,750万ユニットに増強する予定です。

 ステアリング製品の生産拠点を設立(広東省東莞)
 自動車部品事業初の拠点として東莞恩斯克転向器有限公司(NSK STEERING SYSTEMS DONGGUAN CO.,LTD.)を設立、2004年7月よりステアリングコラム・ジョイントの生産を開始する予定です。コスト競争力の高い製品・部品を、中国国内だけでなく日本を含む海外へも供給していく方針です。

調達
 調達センター設立によりグローバル調達を推進(上海市)
 2002年9月、上海に調達センターを設立しました。軸受の鋼材や前工程リング、部品などを低コストで調達し、中国の工場をはじめとする世界各地の生産拠点へ供給しています。

 玉軸受の前工程リングの生産拠点を設立(江蘇省張家港)
 中国に玉軸受及び自動車用軸受の旋削リングの生産拠点として張家港恩斯克精密機械有限公司(ZHANGJIAGANG NSK PRECISION MACHINERY CO.,LTD.)を設立、2003年末に生産を開始し、中国を含むアジアでの自動車用軸受の需要拡大に対応するとともに、世界各地の生産拠点にコスト競争力の高い部品を供給する予定です。2006年には15億円規模の売上を目指します。

技術
 中国テクニカルセンター棟の新設によるエンジニアリングサポート体制の強化
 (江蘇省昆山)

 2002年12月、昆山NSKの敷地内に中国テクニカルセンターの新しい技術棟が完成しました。フィールドエンジニアを増強し、ころ軸受の販売拡大、および従来の電機産業向けから自動車産業向けをターゲットとする営業サポートを行うとともに、部品調達サポートをも含めた機能拡大を図ります。
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