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NSKアニュアルレポート2003
特集1
第2次構造改革の進捗状況と中期事業戦略
第2次構造改革
 1999年3月期より取り組んできた一連の事業構造改革の総仕上げとして、2001年11月に「第2次構造改革」をスタートしました。日本と欧州を中心に、賃金・雇用体系の改革や外部調達費の削減、生産拠点の再編などを実施、グローバルな競争に勝ち抜くための収益体質の強化に取り組みました。その結果、当期は130億円の営業利益への貢献を達成することができました。
1. 国内雇用構造の改革
 グローバルな競争力を持った人事制度への移行を目指し、能力・成果主義の徹底、業績に連動した賞与制度の導入、社外工比率を高めたフレキシブルな人員体制の整備などを実施しました。また、雇用構造改革の一環として労務費を変動費化するため、2002年9月には早期退職優遇制度の適用範囲拡大を実施しました。
2. 国内生産体制の再編成
 国内の軸受事業については、ユーザーの低コスト地域への生産移転による需要縮小や、グローバルな競争激化による収益力の低下などに対応すべく、汎用製品のアジアへの生産移管と、それにともなう国内工場間の生産移管を実施しました。自動車部品事業については、等速ジョイント事業からの撤退を予定通り完了したほか、2003年4月にはシートベルト事業をスウェーデンのオートリブ社へ完全譲渡しました。精機事業については、新しい生産方式と雇用形態の導入を進めてきたNSK九州(株)にボールねじ生産の一部を移管するなどの生産体制の再編を進めました。
3. 事業運営・収益責任体制の強化
 2002年10月に、ステアリング事業と精機事業を完全分社化し、各事業別に明確な収益責任のもと、それぞれの市場や製品の特性に合わせて機動的な意思決定が行える体制が整いました。
4. 外部調達費用の削減
 中国(上海)の調達センターを活用したグローバル調達の強化、協力企業の再編、国内外を問わず競争力のあるサプライヤーへの切り替え、生産・販売・技術・調達各部門の合同チームによる SACC(Strategic Approach for Cost Competitiveness)活動などを実施しました。
5. 欧州事業の再構築
 NSKにとってノンコアである航空機用軸受事業を行う英国子会社の一部株式をスウェーデンの SKF 社に売却しました。また、汎用玉軸受の競争力強化のため英国ピータリー工場からポーランドのNSKイスクラへ生産移管を進めたほか、英国ニューアーク工場およびドイツのノイベック社のラインを縮小し、また一部製品を日本からの輸入に切り替えました。自動車部品についても英国の3工場をピータリーの1工場に集約しました。以上の生産再編の結果、それぞれの工場がコア製品に集中する効率的な生産体制が整いました(こちらをご参照)。また、NSKイスクラを中心に人員の削減を進めたほか、欧州本社と技術部門の規模縮小、物流拠点の集約などにも取り組みました。

 2004年3月期には、外部調達費用の削減や生産革新活動(APS)(こちらのページをご参照)の海外展開を本格化し、引き続き改革の手綱を緩めず取り組んでいく予定です。営業利益ベースで135億円の効果を目指します。

  「第2次構造改革」の効果
項目 目標と成果 2002年度収益寄与額
(営業利益ベース)
国内雇用構造の改革
(目標) 労務費の変動費化
(成果) 早期退職優遇制度の実施により702名を削減
27億円
外部調達費用の削減
(目標) 2002年度から2004年度末までの3年間で外部調達費15%以上を削減。また、国内サプライヤー900社を半減
(成果) 当期は国内で45億円の外部調達費を削減し、サプライヤー数を800社弱にまで削減
45億円
欧州事業の再構築
(目標) 1. 2001年6月時点の6,672名から2003年12月末までに3,000人の人員削減
2. 英国の生産規模縮小と大陸へのシフト
(成果) 1. 2002年の1年間で欧州全体で1,400名強の人員を削減したことにより労務費16億円を削減
2. 生産体制の統合・再編により18億円のコストダウンを実現。また欧州本社と技術部門の規模縮小、物流拠点の集約などにより販管費等24億円を削減
58億円
合計   130億円
中期事業戦略
 2003年2月、構造改革後の成長戦略とさらなる財務体質強化策からなる「中期事業戦略」をスタートさせました。
1. 成長戦略
 中長期の成長領域として、以下を重点的に強化します(詳細については社長メッセージおよび営業概況をご参照ください)。
  • 自動車軸受: ハブユニット、および TIMKEN 社とのアライアンスによる円すいころ軸受とニードル軸受を重点的に強化し自動車用軸受世界No.1を目指す。
  • 自動車部品:EPS を中心に、世界トップクラスのステアリングシステム・サプライヤーを目指す。
  • アフターマーケット向け軸受:一般産業向けのころ軸受について、米州、アジアを中心にアフターマーケットを開拓する。
  • 精機製品:新製品の開発・投入により新製品の売上増を目指すとともに、新規顧客開拓に注力する。
  • 中国市場:生産・販売・調達・技術の全面展開により、成長市場における地位を確実にする。
2. バランスシート改革
 成長戦略を資金面でバックアップするため、さらなる財務体質の強化を図ります。2002 年度の有利子負債2,678億円を3年間で800億円削減、D/E レシオを1.0以下にすることを目標に、以下の施策を実施します。
  • 生産革新活動(APS)の展開強化やサプライチェーンマネジメントの推進により、棚卸資産を2004年度末までに140億円削減。
  • 持合株の売却により、投資有価証券を2004年度末までに150億円削減。
  • 経常設備投資については償却費を大幅に下回る150億円に抑制する。一方、成長のための戦略投資については今まで以上にリターンを重要視するなど、投資判断基準の厳格化を行う。
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