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財務情報
NSKアニュアルレポート2002
連結財務報告
連結の範囲

 連結財務諸表は、日本精工株式会社及び74の連結子会社(国内22社、海外52社)の財務諸表を反映しています。また、関連会社20社(国内13社、海外7社)に対する投資について持分法を適用しています。

 国内では、新たに4社が連結子会社となりました。異動のあった主な会社は、福島工場を分社したエヌエスケー福島(株)や情報システム部門を分社したエヌエスケー・ネットアンドシステム(株)、持分法適用会社から100%子会社となったドライブシャフト・テクノロジー(株)です。また会社清算により国内連結会社が1社減少しています。海外では、連結子会社数は4社増加しました。主な異動につきましては、英国エアロスペース事業の分社による、NSKエアロスペースヨーロッパ社(SKF社の資本参加に伴い、2002年5月に社名変更:エアロエンジン・ベアリングUK社)の設立、タイにおける自動車用軸受生産・販売会社NSKベアリング・マニュファクチュアリング(タイ)社の新設、さらにサイアム・ナステック社の持分法適用会社からの異動です。その結果、連結子会社数は7社増加しました。

 持分法適用会社につきましては、当会計年度よりNSK-AKSプレシジョンボール・インドネシア社を、新たに持分法適用会社としています。また前述の2社が連結子会社へ異動し、デルファイ・シャシーNSKブラジル社を清算したため、前期より2社減少しています。

売上高

 2002年3月31日に終了した連結会計年度における売上高は4,809億円と、前期の5,331億円から9.8%減少しました。当会計年度における国内経済は、米国経済の減速やIT関連需要の大幅な下落が経済全体に影響を及ぼし、輸出の大幅な減少や在庫調整による生産減、設備投資の縮減など不況色を強めました。更に、民間企業のリストラにより人員削減や工場閉鎖、海外への生産移転の加速といった構造変化要因も加わり、戦後最悪の不況と言われる展開となりました。このような状況下で、国内売上高は前期の3,059億円から15.8%減少し2,576億円となりました。

 海外については、米国は一昨年のITバブル崩壊を契機に経済全体が失速し、これに9月の同時多発テロが追討ちをかける格好となり、世界経済の牽引力を失う状況となりました。欧州経済は相対的に堅調でしたが、日米など域外の景気後退が経済の伸長を鈍化させました。アジア経済も、中国の拡大テンポが鈍るなど輸出先の景気悪化を受けた結果となりました。このような状況下、海外売上高は2,233億円と前期の2,272億円より1.7%の減収となりました。総売上高に占める海外売上高の割合は、前期より3.8%増加し46.4%となりました。

営業費用、営業利益

 当会計年度における連結売上総利益は、前期の1,049億円から16.8%減少の873億円となりました。売上高総利益率は、前期比1.6ポイント悪化の18.1%となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率も、2.5ポイント悪化の17.3%となりました。営業利益は、前期の258億円から84.7%減少の39億円となり、売上高営業利益率は0.8%となりました。外部調達コストの削減、労務費の圧縮、設備投資の絞込み等コストダウンに努めましたが、物量の急激な落ち込みによる固定費負担の増加をカバーしきれず、営業利益は大幅に落ち込みました。

事業別セグメント情報

 軸受の売上高は、前期の3,184億円より5.0%減少の3,024億円となり、総売上高に占める割合は62.9%となりました。国内では、自動車向けは微増しましたが、電機・情報、工作機械、産業機械向けなど一般産業向けが落ち込み、前期の1,540億円から8.4%減少し1,410億円となりました。海外でも、自動車向けは堅調でしたが一般産業向けが不振で、前期の1,644億円から1.8%減少し1,614億円となりました。軸受の営業利益は113億円となり、売上高営業利益率は3.7%でした。

 自動車部品の売上高は、前期の1,332億円から3.8%減収の1,282億円となり、総売上高の26.7%を占めました。電動パワーステアリングが、国内及び欧州で売上を大きく伸ばしましたが、シートベルトや一般のステアリングが減少しました。その結果、国内における売上高は、前期の916億円から8.6%減少し837億円となりました。また海外については、445億円と前期の416億円から7.0%増加しました。自動車部品の営業利益は4億円となり、売上高営業利益率は0.3%でした。

 精機製品の売上高は、前期好調だったIT関連需要の大幅な落ち込みにより、前期の580億円から41.4%減少し340億円となりました。総売上高に対する割合は、7.1%となりました。国内売上高は、半導体製造装置関連や工作機械向けなどが大きく減少したため、前期の381億円から50.7%と大幅に減少し、188億円となりました。海外でも、米州での売上が大きく減少した結果、前期の199億円より23.6%減少し、152億円となりました。精機製品の営業損失は53億円となり、売上高営業利益率は△15.7%でした。

所在地別セグメント情報

 日本では、電機・情報及び市販向けを中心に軸受の販売が大幅に減少し、また半導体製造装置関連及び工作機械向けに、精密機器関連製品が大幅に減少しました。この結果、域内の内部売上高消去後の売上高は、前期の4,381億円から16.3%減少し、3,667億円となりました。営業利益は、前期の245億円から67.3%減少し、80億円となりました。

 米州では、ブラジルにおいてはインフレが落ち着き販売も順調に推移したものの、米国経済の低迷やIT不況の影響を受け、米国で精密機器関連製品や軸受の売上が減少しました。この結果、売上高は733億円と前期の770億円に比べ、4.7%減収となりました。為替変動の影響を除いた現地通貨ベースでは、12.5%の減収でした。営業利益は、前期の44億円から55.2%減少し、20億円となりました。

 欧州では、電動パワーステアリングを中心に販売が好調に推移し、売上高は前期の737億円より8.3%増加し、798億円となりました。現地通貨ベースでは前年比1.5%増でした。しかし、英国工場の操業度の低下や、ポーランドにおけるズロチ高の影響、また英国本社の販管費の増加などで、営業損失が前期の29億円から38億円拡大し、67億円となりました。

 アジアでは、売上高は前期の534億円に比べ0.6%増の538億円となりました。中国では現地生産が拡大したものの、景気低迷の影響を受け、現地通貨ベースの売上高は6.6%減少しました。営業利益は前期の43億円から15.8%減少し、36億円となりました。

当期純利益

 支払利息から受取利息と受取配当金を差し引いた金額は、主に親会社の高金利社債を低利調達に借り替えた影響により、前期の69億円から13億円改善し、56億円となりました。また、その他の費用には、国内株式市場の下落に伴う投資有価証券の評価損129億円と欧州を中心とした事業構造改善費用として39億円を計上しました。一方、その他の収益には多摩川工場跡地の売却益93億円を計上しました。

 以上の結果、税金等調整前当期純損失は103億円となりました。法人税等及び少数株主利益を控除した後の当期純損失は177億円となり、前期より291億円減少しました。当期の一株当たり当期純損失は31.79円でした。当期の配当につきましては、一株当たり5.00円(前期6.00円)と致しました。尚、当会計年度末における発行済株式数は、自己株式の資本準備金による消却によって、前期から11百万株減少の551百万株となりました。

 

キャッシュ・フローと財務状態

 営業活動から生じたキャッシュ・フロー(純現金収入)は、前期の244億円から 24.1%増加し、303億円となりました。税金等調整前当期純損失を103億円計上したものの、減価償却費275億円や、受取手形及び売掛債権の減少額348億円、棚卸資産の減少額103億円が主な源泉となりました。

 投資活動に用いられたキャッシュ・フローは、前期の197億円から74.4%増加し、344億円となりました。多摩川工場跡地の売却等、有形固定資産の売却による収入が110億円あったものの、新技術開発センターの建設等により、有形固定資産の取得による支出(設備投資)が424億円と、前期より85億円増加しました。設備投資額の地域別内訳は、国内が51%、米州が18%、欧州が15%、アジアが16%となっています。

 財務活動から生じたキャッシュ・フローは、前期より330億円増加し、129億円となりました。主に長期債務の増加306億円が、その要因となりました。一方、コマーシャルペーパー等短期債務の減少額が99億円、自己株式の取得による支出が45億円、及び親会社の配当金支払額が31億円でした。

 これらのキャッシュ・フロー増減と、為替換算差額を調整した後の現金及び現金同等物の当期増加額は、98億円となり、当期末における現金及び現金同等物の残高は、566億円となりました。

 流動資産総額は、前期に比べ301億円減少し、2,915億円となりました。これは主として売上債権が前期より354億円減少したことによるものです。棚卸資産は、国内外で在庫圧縮に努めましたが、円安になったことにより海外の在庫が為替換算で膨らみ、円貨ベースの比較では49億円の減少に留まりました。

 流動負債総額は、前期より226億円減少し、2,394億円となりました。主に仕入債務が186億円したことが、その要因となりました。その結果、正味運転資本は521億円と、前期より75億円減少し、流動比率は1.22倍となりました。前期の流動比率は1.23倍でした。

 有利子負債(短期債務、一年以内返済予定長期債務、長期債務)は、前期より266億円増加し、2,724億円となりました。

 総資産は、前期より376億円減少して、6,428億円となりました。使用総資本回転率は、前期の0.81回に対し、0.73回となりました。

 株主資本合計は、192億円減少の2,082億円となりました。減少額の主な内訳は、当期純損失177億円、資本準備金による自己株式買入消却による減少44億円です。また、為替が円安になったため、為替換算調整勘定のマイナス幅は減少しました。一株当たり純資産額は、前年の405.12円から378.03円に減少しました。また、自己資本比率は32.4%(前期は33.4%)となりました。

財務リスク管理について

 NSKグループの一部の法人は、外貨建ての売上を計上しており、資金回収及び邦貨転換に至るまで(通常1〜4ヶ月)、為替変動リスクを有しています。主要な為替変動リスクは、親会社から世界各地への輸出(主に米ドルまたはユーロ建て)、及び英国生産品の欧州大陸への輸出に係り発生しています。これらのリスクについては、会社方針により為替予約等を活用することで、大部分をリスクヘッジしております。

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