守りだけでなく攻めの経営にも取り組んでいます。コア事業として、標準玉軸受、自動車用軸受、電動パワーステアリング、ボールねじ等世界No.1の事業をさらに強化しています。サプライチェーンマネジメントやe-イノベーションによるサービスの強化にも力を入れてきました。またハーフトロイダル式CVT(無段変速機)に続く大型新製品の開発も欠かせません。「モノづくり」一筋に研鑚を積んできた当社にとって、最大の競争力の源泉は、言うまでもなく技術力です。当社は地域・顧客ニーズに合った製品・サービスをスピーディに提供するため、グローバルに13ヶ所の技術拠点を設けていますが、他方、21世紀のNSKを支える次世代技術については、日本国内で集中的に研究開発を行なっています。2002年4月、当社のイノベーティブで繊細な「モノづくり」の思想を凝縮した「技術開発センター」を、神奈川県の藤沢工場内に48億円をかけて完成させました。これまで部門ごとに分散していた研究開発機能をここに集約し、軸受、自動車部品、精機製品各分野のテクノロジーを融合させた次世代大型商品の開発と、全部門共通の基盤技術の強化を目指しています。すでに、電動リニアアクチュエータなど、次なる飛躍に向けた新製品の開発が進んでいます。これらに加えて、NSKでは今、2つの新たなイニシアティブが動き始めています。
その第一が分社化です。
2002年のうちに自動車用ステアリング部門と精機部門を分社化することを決定しました。再編によって巨大化・寡占化が進む自動車メーカー向けの製品と需要変動の大きい精機とでは、自ずから異なる事業モデルが求められます。それはまた、従来の軸受中心の事業モデルとも異なるものです。両事業は今後、自らの収益責任でそれぞれのマーケットに特化して、機動的に事業展開、商品開発を進めていきます。また、日本の小径玉軸受の生産拠点である福島工場も分社化、単独での再生を目指して新たなスタートを切りました。私たちが長らく指向してきた「闘う小集団」が、分社化によっていよいよ現実のものとなります。
もう一つの攻めの経営がグローバル・アライアンスです。
2002年4月、軸受の世界最大手SKF社との業務提携に合意しました。これは、当社の英国子会社の航空機向け軸受事業を同社に段階的に譲渡するという限られた内容ではありますが、世界の軸受のトップメーカー同士が初めて手を組んだ歴史的な出来事として非常に意義深いものです。
また円錐ころ軸受で世界最大手のTIMKEN社とは、トヨタ自動車グループ向けに同軸受のグローバルな共同供給体制を構築することで合意し、併せて中国に合弁で、高い競争力を持つ生産拠点を建設する計画も進んでいます。
さらにNTN社とは、すでに一部製品の相互OEM供給や特許の相互利用について提携を結んでいましたが、この信頼関係をベースに2002年6月、大形軸受の販売、生産、技術、調達の各業務について、包括的な提携を推進していくことで合意しました。
軸受業界は再編淘汰が進み、世界でわずか10社程度にまで絞り込まれてきました。当社は今後とも、玉軸受、自動車用軸受での優位性を活かし、世界の「強者連合」の形成を推し進めます。同様に軸受以外の分野でも、必要に応じ提携を推進することで、グローバルプレイヤーとして強力なポジションを確立していきます。 |