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プレスリリース

2010年2月17日
日本精工株式会社 広報部

国産技術で初の人工衛星姿勢制御用「高性能ホイール軸受」を開発

人工衛星姿勢制御用「高性能ホイール軸受」

日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 大塚 紀男、以下NSK)は、温室効果ガス観測技術衛星「GOSAT*」に搭載された、国産技術で初の高性能姿勢制御用ホイール軸受を開発しました。この衛星は2009年1月の打ち上げ以降、宇宙空間で観測を続けています。

* GOSAT: 地球温暖化の原因となる「温室効果ガス」の濃度分布を観測し、「京都議定書」で定められた二酸化炭素(CO2)の排出量削減に貢献することを目的とした人工衛星プロジェクトです。世界規模での環境変化を見逃さず監視し、人類全体の未来のために活躍することが期待されています。(JAXAホームページより)

衛星の姿勢制御用ホイールは、内部のローテティングマス(はずみ車)をモータで加減速させ、その際に発生する反作用トルクによって衛星の姿勢制御を行います。軸受は、ホイールの性能を左右するコア部品の一つであり、真空環境において、軸受表面の微量の潤滑油だけで宇宙の軌道上で10~15年の長期間、安定して回転し続け、衛星の観測機能に悪影響を与えないよう、振動を低減する必要があります。また、打ち上げ時の振動や衝撃環境、及び軌道上での温度変動にも耐える必要があります。

今回NSKが開発した製品は、ホイールの高信頼性に加えて、低振動、高速回転及び高出力・高トルク化の達成に貢献しています。

【製品の特長】

高信頼性化のための技術
蒸発しにくく、潤滑性に優れた潤滑油、さらに微量な潤滑油を安定供給出来る保持器を採用しています。
低振動化のための技術
低振動を実現するために炭化物を微細化した高清浄度ステンレス鋼を軌道輪に採用し、軌道面には独自の洗浄技術を用いて高清浄度面を実現しました。
さらに、耐摩耗性に優れた特殊表面処理を施した高精度鋼球を採用しています。

NSKは、今後も宇宙開発向け最先端技術の開発を通して、円滑で安全な社会生活へ貢献します。

ホイールの原理

ホイールの原理

ローテティングマス(はずみ車)をモータで加減速させ、その際に発生する
反作用トルク(制御トルク)によって衛星の姿勢制御を行います。

ホイールの構造

ホイールの構造

ローテティングマスのシャフトを支持するため、
ホイール1台当たり2ペアの軸受が使用されています。

軸受に要求される性能

国産開発ホイールの高性能化と軸受に要求される性能

ホイールの高性能化
高信頼性 設計寿命10年
(高性能化を実現しつつ
寿命を維持)
姿勢制御
高精度化
高速
回転
回転数6000rpm
(従来3500rpm)
低振動 0.1g・cm以下
(従来4g・cm以下)
高出力
トルク
0.1~0.2N・m
(従来0.07N・m)
軸受に要求される性能
高信頼性
潤滑システム
良好な潤滑剤
自己潤滑システム
低振動 低振動材料
高清浄度表面
耐摩耗ボール
保持器振動低減

プレスリリース記載の情報は報道発表日時点の情報です。
予告なしに変更され、ご覧になった時点と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

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